エネルギーコストの動向
EM2618
エネルギー価格抑制補助金、累積15兆円を超える
石油製品・電力・ガス向け価格抑制補助金は、2026年10月末に累積15.3兆円に達する見通しである。石油製品は9.7兆円(63%)を占め、電力4.4兆円、ガス1.2兆円が続く。累積額は2022年末の2.7兆円から、増加幅が最大だった2023年末には7.3兆円へ拡大した。当初、予見困難なエネルギー価格の急騰から家計・企業を守る激変緩和措置として意義があった。しかし、終了条件が不明確なまま反復され、巨額の財政負担を伴う価格維持策へ変質している。10月29日、12月–翌年2月使用分の電気・ガス代への補助が表明された一方、ガソリンは基準価格を毎月5円程度ずつ引き上げる段階的縮小方針が示された。出口設計はなお定まっていない。エネルギー需要の短期的な価格弾力性は小さく、価格シグナル低下による省エネ阻害は、少なくとも短期には限定的と考えられる。より重要なのは、補助が需要家の直接負担を財政へ移し、コスト上昇を見えにくくした点である。特に電力では、料金抑制の反復が洋上風力や送電網増強などエネルギー転換に伴う追加費用の検証を曖昧にし、供給コスト抑制に向けた政策規律を弱めている。
利用指標
- 最終エネルギー消費額ECM Dashboard/エネルギーコスト ↗