最新版:ECM_JPN_202311(2023年11月30日公開)PDF / Excel
エネルギーコストの月次動向
月次エネルギーコストとしてピークとなる2023年1月には補助前消費額ベース(ECM推計値)の5.2兆円から、「燃料油価格激変緩和対策事業」(2022年1月–2023年12月消費分に対する補助金)により、
補助後消費額ベースでは4.7兆円にまで抑制。
化石燃料価格の低下とともに「電気・ガス価格激変緩和対策事業」(2023年1–12月消費分に対する補助金)により、2023年10月の最終エネルギー消費額は3.8兆円と、
2022年1月水準まで抑制(ただし補助前消費額ベースでは4.1兆円と、2022年4月水準と同等)。
11月以降のECM予測値では、最終エネルギー消費額に対する補助金総額では2022年に2.7兆円、
2023年に4.8兆円(うち電力2.5兆円、石油製品1.7兆円、ガス0.7兆円)の見込み。
11月以降のECM予測値は、エネルギー価格では米国EIA(エネルギー情報局)によるShort-term Energy Outlook(2023年11月7日公表)における原油、天然ガス、石炭価格に基づく推計値、
エネルギー消費量では実質GDPの成長率と(グロス)エネルギー生産性の改善を考慮した推計値による。11月以降の実質GDPおよび名目GDPは、OECDによるEconomic Outlook(2023年11月23日公表)に基づく推計値による。
単位:兆円。注:観測期間は2015年1月–2023年10月(季節調整済み)。図のシャドー部分は、「燃料油価格激変緩和対策事業」および「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による補助金額(推計値)。
2023年11月–12月値は予測値。
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単位:10億円。注:括弧内は最終エネルギー消費額に占めるコストシェア。
エネルギーコストの年次動向
2022暦年の最終エネルギー消費額は51.9兆円、前年差で13.3兆円(前年比34.5%)の増加。
2022暦年の電力消費額は24.1兆円、前年差で5.7兆円(前年比31.2%)の増加。
単位:兆円。注:観測期間は2015年–2022年。図のシャドー部分は、「燃料油価格激変緩和対策事業」および「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による補助金額(推計値)。
2023年11月–12月値は予測値。
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単位:10億円。注:括弧内は最終エネルギー消費額に占めるコストシェア。2023pは2023年10月実績値(ECM推計)までを反映した年次予測値。
グロス・エネルギーコストの年次動向
最終エネルギー消費にエネルギー転換部門のエネルギー消費を加えたグロスのコストは、2022年で84.5兆円、前年差で28.0兆円(前年比49.7%)の増加。
単位:兆円。注:観測期間は2015年–2022年。
エネルギー種別単価
電力・ガスの単価は、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」の補助により、2月には大きく低下、10月にはピークとなる2022年12月よりそれぞれ25.7%、32.0%低下。
単位:円/MJ。注:観測期間は2015年1月–2023年10月。図のシャドー部分は、「燃料油価格激変緩和対策事業」および「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による補助前の単価(推計値)。
2023年11月–12月値は予測値。
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単位:円/MJ。注:括弧内の計数は電力との相対価格(電力平均単価=100)。
エネルギー価格(名目・実質価格)
2023年10月の名目価格(品質調整済みエネルギー投入価格)は前月比1.0%上昇したものの、2023年2月から続く補助金により低下傾向。
2023年10月の名目エネルギー価格は2015暦年平均比で26.8%の上昇、近年の転換期(ボトム)の2020年12月より43.5%上昇。
日本ではGDPデフレーターは2022年後半より上昇傾向にあり、10月は前月比0.2%上昇。
単位:2015暦年平均=100。注:観測期間は2015年1月–2023年10月。「燃料油価格激変緩和対策事業」および「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による補助後(推計値)。
2023年11月–12月値は予測値。
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単位:2015暦年平均=100。
エネルギー消費量
2023年10月のエネルギー消費量(品質調整済みエネルギー投入量)は前年同月比3.5%の増加。
エネルギー消費量はコロナショックからの回復基調を終え、2023年10月では2015暦年平均より10.3%小さい。
単位:2015暦年平均=100。注:観測期間は2015年1月–2023年10月(季節調整済み)。2023年11月–12月値は予測値。
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単位:2015暦年平均=100。
(グロス)エネルギー生産性
エネルギー生産性の13か月移動平均値(緑線)の期間平均成長率(2015年7月―2023年4月)は年率1.5%の上昇。
エネルギー生産性の短期変動の意味は限定的だが、グロス・ベース(海外生産移転を含む)では改善。
単位:2015暦年平均=100。注:観測期間は2015年1月–2023年10月(季節調整済み)。2023年11月–12月値は予測値。
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単位:2015暦年平均=100。
経済成長(名目・実質GDP)
2022年2月より月次実質GDPは上昇基調だが、依然として消費税増税(2019年10月)前水準の回復には至らず。
名目GDPは2022年2月より穏やかな回復基調だが、2023年10月値は2015暦年平均比10.4%増の水準。
単位:2015暦年平均=100。注:観測期間は2015年1月–2023年10月(季節調整済み)。2023年11月–12月値は予測値。
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単位::2015暦年平均=100。
RUEC(実質単位エネルギーコスト)
名目GDPに占めるエネルギーコストシェアは「RUEC」であり、一国経済におけるエネルギーコストの実質的な負担を示す。
2023年10月のRUECは、名目エネ価格1.0%の上昇とエネ消費量の5.9%の減少を受け、前月比5.1%減少。
2023年10月のRUECは2015暦年平均値に対して3.0%、近年の転換期(ボトム)となる2020年11月より29.7%高い。
単位:2015暦年平均=100。注:観測期間は2015年1月–2023年10月。「燃料油価格激変緩和対策事業」および「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による補助後(推計値)。
2023年11月–12月値は予測値。
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単位::2015暦年平均=100。注:括弧内の計数は名目GDP比。
輸入シェア
国内での石油精製は減少しているが、石油製品の輸入シェア(金額ベース)は2016年末から上昇傾向に。
単位:%。注:観測期間は2015年1月–2023年10月(季節調整済み)。2023年11月–12月値は予測値。
1955年(昭和30年)からの長期系列
年次RUEC
2022年のRUEC水準は、近年のピークである2014年を上回り、二度のオイルショック後の1980年代初めの水準へと接近。
単位:1955暦年平均=100。注:観測期間は1955年–2022年。「燃料油価格激変緩和対策事業」および「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による補助後(推計値)。
2023年値は2023年10月実績値(ECM推計)までを反映した年次予測値。
年次名目エネルギー価格
単位:1955暦年平均=100。注:観測期間は1955年–2022年。「燃料油価格激変緩和対策事業」および「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による補助後(推計値)。
2023年値は2023年10月実績値(ECM推計)までを反映した年次予測値。
年次実質エネルギー価格
単位:1955暦年平均=100。注:観測期間は1955年–2022年。「燃料油価格激変緩和対策事業」および「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による補助後(推計値)。
2023年値は2023年10月実績値(ECM推計)までを反映した年次予測値。
RUEC関連指標の集約表
1. 成長率
単位:%。第1–3系列は前四半期比、第4–6系列は前月比成長率。
推計値の最新月(第6系列)は予測値、最新月の前月(第5系列)は速報値、それ以前(第4系列)は確報値。
2. 指数
単位:2015暦年平均=100。
注:推計値の最新月は予測値、最新月の前月は速報値、それ以前は確報値。
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データ
ECM_JPN_202312
2023年 12月28日公表予定
n.a.
n.a.
ECM_JPN_202311
2023年 11月30日
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