最終更新:2025-12-06

ECM – 日本

日本経済が負担するエネルギーコストの総額とその構造、さらにエネルギー価格の変化が経済に及ぼす実質的な影響を集約した指標である実質単位エネルギーコスト(RUEC)を中心に、 日本のエネルギー消費量と価格の動向を約1か月のタイムラグで把握する月次速報値を推計しています。

2024年負担総額  48.3兆円
2015~19年平均差+11.3兆円
2025年負担見通し47.1兆円
2015~19年平均差+10.1兆円

ECM202511の概要

  • 2025年10月の最終エネルギー消費額(エネルギーに対する補助金による抑制後)は3.8兆円と、2022年4月水準まで抑制。ただし補助前消費額では4.0兆円。
  • 2022年12月のピークを下回るが、エネルギーコストの負担は2024年2月から再上昇し、2025年前半期(1月–6月)では2019年平均値を21%上回る。2025年10月以降も高止まりの見通し。
  • 2024年のおけるエネルギーコストの負担総額は48.3兆円(補助金による間接負担額はそのうち3.6兆円)となり、2015~19年平均に対して30.7%の上昇。

年次エネルギーコストの概要

2024年の負担総額(最終エネルギー消費)は48.3兆円となり、コロナ禍前(2015~19年平均)から11.3兆円の負担増

  • 2024年は、負担総額としては2023年から1.3兆円減少し、直接負担額は0.3兆円減少。
年次のエネルギーコスト推移(補助の影響を陰影で表示)
単位:兆円/年。注:観測期間は2015年–2024年。 図のシャドー部分は補助金推計値。ECMにおけるエネルギーコストは、一次エネルギー供給から発電などの転換部門でのエネルギー消費を除いた最終エネルギー消費ベースで定義。括弧内は直接負担に、補助金による間接負担を含めたエネルギーコスト負担総額。 2025年値は2025年10月実績値(ECM推計)までを反映した年次予測値。

転換される燃料を含めると、2024年には72.0兆円、コロナ禍前から14.3兆円の負担増

転換燃料を含めた負担総額の推移
単位:兆円/年。注:観測期間は2015年–2024年。 ここでのエネルギーコストは、最終エネルギー消費に発電に用いられる石炭やLNGなど転換部門でのエネルギー消費を加えたグロスベース。 2025年値は2025年10月実績値(ECM推計)までを反映した年次予測値。

月次エネルギーコストの推移と見通し

月次では、FIT賦課金の拡大、補助金の終了に伴い、直接負担は拡大傾向へ

  • 2025年10月の最終エネルギー消費額(エネルギーに対する補助金による抑制後)は3.8兆円と、2022年4月水準まで抑制。ただし補助前消費額では4.0兆円。
  • 2022年12月のピークを下回るが、エネルギーコストの負担は2024年2月から再上昇し、2025年前半期(1月–6月)では2019年平均値を21%上回る。2025年10月以降も高止まりの見通し。
月次のエネルギーコスト推移(補助の影響を陰影で表示)
単位:兆円/月。注:観測期間は2015年1月–2025年10月(季節調整済み)。図のシャドー部分は補助金推計値。 括弧内はそれを含めた補助金による抑制前エネルギーコスト(最終エネルギー消費)。2025年11月–12月値は予測値。